検察求刑13年、弁護意見3年と大きく食い違った事件は懲役9年の実刑判決が言い渡された。
判決の開廷を待つ被告人は、今までのように背筋を伸ばし緊張している様子は感じられず、少し背中を丸めるようにして顎を少し出して落ち着いているように見えた。
開廷し、主文「懲役9年」が言い渡されると被告人はその瞬間から固まったように感じた。求刑は13年だからそれに比べれば短いが、弁護側が申し入れていた3年からは程遠い。まじめにつとめて仮釈放をもらったとしても、最低でも6年間はでてこれない。
被告人は19歳なので25歳までは刑務所で暮らすことになる。
被害者は亡くなっており、事件は自宅の部屋で目撃者もいないため事件の状況は被告人の供述によるしかない案件で、殺したこと自体は被告人は認めており、量刑の争いになっていた。
裁判官はまず、精神鑑定結果について「強いていえば、BPDであるが、日常生活に支障をきたすほどではなく、事件時の”殺される”という妄想様観念もBPDの影響はある」とした診断を信ぴょう性が有効であるとした上で、殺意が動画拡散を恐れたことによるものと了解でき、衝動的に行ったものではあるが、BPDの影響は限定的であり、その責任能力は完全能力があるとした。
量刑については、同種の判例をもとに裁定されていて、被害弁償の一部として515万円が支払われていること、今後も支払いを続ける意思があり、本人の更生には期待ができるとした。
私には、やはり、なぜ殺してしまったのかということが了解不能である。
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