準強制わいせつ罪。
懇親会で飲みすぎて終点で停車中の車内で寝ていた被害者をみつけた被告人は、「終電ですよ」と声をかけたが、起きないため揺すったりしても反応がないためわいせつな行為をしようと思い、隣に座って肩を抱きかかえ乳房を直接揉んだり、乳首を指で挟むなどした挙句、舌を被害者の口の中に差し入れディープキスをした。
被害者は当初は知り合いの人かと思ったが、見知らぬ男性だったため驚愕したが泥酔していたため思うようにならず、被告人に「立てますか」「ホテルに行こうよ」などと言われたが断ったため、被告人はその場を立ち去った。
被告人は妻子のある鉄道マンで、当日は職場の飲み会があり酒に弱いが飲みすぎて記憶はあいまいだという。家は事件のあった駅ではないが、酔って寝過ごして一旦下りの電車に乗ったがいつのまにか上りに乗っており、終着駅で最終電車の下りに乗ろうとしたところ被告人を発見し、親切心で起こそうと近づいた。
鉄道マンであれば社内の防犯カメラがあることはわかっていたのではないかと、裁判官からきかれるが意識していなかったようである。犯行の一部始終が防犯カメラに残されている。
被告人はこれが初めての犯行というが、犯行は3分間という短時間でなされた行為で、私には手口が大胆で迷いがなく、酔っていて寝過ごしている割には最終電車には乗ろうとしており、寝過ごしたのではなくターゲットを探していた常習的な犯行に思える。
なぜ、このような犯行をしてしまったのかということには、妻の不倫疑惑や仕事のストレスが溜まっていたところ、弱い酒を飲みすぎたためだと説明。再犯防止には、酒を飲まないようにしたいというが、それでは再犯は防げないのは自明のことだ。
女性を人間として、尊厳をもった対象としてどう認識しているのか、抗拒不能の状態で性的なことをされてどれだけ恐怖を感じ傷つくかということを学び、相手の気持ちを感じる必要があるが、そのためにはまず自分自身のこと感じることが必要だと思う。
断酒は根本的な解決にはならない。
求刑は2年で、判決は執行猶予が3年付与された。
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